放課後等デイサービスの初日を終えて
車で一人ずつ家まで連れて帰る。
昼間に通ったはずだった道も夜に通ると景色が違って
「あれ?間違ってる?」と運転している私も思ってしまう
でも、同じことを子ども達も思っている様子で泣く子が居た。
「大丈夫、家に帰れるよ」となだめるが、なかなか分からないみたいだった。
大人からしたら、自力でも家に帰れるのでほぼ、「帰宅確定」と冷静に思えるが
子ども達からしたら、状況も判断も我々大人側に全て委ねられるので恐いのだろう。
また、幼少期を思い出した。
父や母の運転する車の助手席を兄と喧嘩してまで乗りたがっていた事
「あの道を通ったら看板を見る」みたいな事を無意識にしていた気がして
ルートが違ってたら大したことないんだけど「あぁ、看板みれなかった」と
心の中で思ってた気がする。
大人になってからは、そういう気持ちは無くなって
目的地に最短で行ける道はどこかと、あまり景色を楽しまなくなったりしていた気がする。
忙しい事や様々な事情を心の中で考えていると無意識に行動しているものなんだなと改めて思う。
車の中で景色を楽しむ子は様々な目の情報を報告してくれる。
「〇〇電車!」「先生、ここ美味しいよ」「〇〇君のお家だ!」
子どもによっては「ん!ん!」と私の裾を引っ張って、建物を指さす子も居る。
きっと来たことある場所を伝えようとしてくれてるんだろう。
大人になって手に入れた物は多くあるが、反対に多くの物も失っている気がした。
一番大きいのは情緒なんだろう。