お昼事情
一昔前、とある保育園の方針で「お弁当に冷凍食品を持ってきてはいけない」というものがあった。
愛情弁当という言葉がある様で、手作りで愛情を込めるお弁当を食べるのが良いのだろう。
これには賛否両論あったのだけども、確かに、お母さんの握ってくれた「おにぎり」は最強だと思う。昔を思い出しておにぎりが食べたくなる。
卵焼きは欠かせないおかずだった。
反面、最近のカップヌードルも最強に上手いのは認めよう。
お弁当にカップヌードルとおにぎりを持ってくる子も居た。
別の子は家に迎えに行った時点でお母さんがお金を渡してくれて
「はい、〇〇君、先生にお願いして」と言い出す。子どもが何を言いだすかと思えば
「〇〇マートの塩カルビ弁当を買ってください!!!!」と元気よく言う。
とあるコンビニの美味しい弁当らしい。
「はい、わかりました!〇〇ちゃんと、〇〇君を迎えに行った後に〇〇マート寄ろう」
といったらニコっと笑って車に乗った。
大多数の子ども達は、自宅で用意されたお弁当を持ってきている。
どの子ども達の持ってくるお弁当はとても美味しそう。
おみくじ付きのグラタンを毎回持ってきて楽しみに食べ終えて皿の底に印字されている
おみくじを読んで笑っている子も見かけたり
おいしそうなミートボールを上手にフォークを使って食べている子が居たりしたが
そのミートボールが冷凍なのかどうか定かでない。
お弁当の中を見て単純に「美味しそうだなぁ。」って思っている自分が居た。
考え方は色々あって、親御様の子供への手間の掛け方で家庭状況を観察すると言う方針もあるんだろうなと思う。
私は学校が給食だったし、お母さんのお弁当を食べる機会は遠足か運動会だったから
お母さんのお弁当はレアだったし、楽しい日に食べる物だから尚更おいしかった。
きっと、今、大人になった人や人生のベテランの人たちはそういった
思い出を今の子ども達に教えてあげたいと言う気持ちもあるのかもしれない。
私も、大きな手作りおにぎりを頬張る子どもを見ていると幸せな気分になって
さぞ、旨かろうと微笑んでしまう。
でも、食レポの様にカップ麺をススって「ほら、辛いの入ってるけど食べれるよ」とモグモグさせて
食べている子もまた微笑ましかったりする。
大人のノスタルジーは、時代も文化も変わって行って、きっと君たちが大人になって誰かのお世話をする時
「そうか、今の子ども達は固形のおみくじ付き栄養サプリメントがご飯なんだね」となっているのかな?
そして、老人となった私が「けしからん!おにぎり食べなさい」とでも言っているのだろうか。
もしかしたら、「はははは、ステラ社が開発したスペースX弁当は旨いなぁ」と言ってるのかもしれない。