初めて出勤したとき

車で学校に子ども達を迎えに行った。

車なんて持ってなかったから、ペーパードライバーだったけど運転した。

 

この仕事してなかったら、一生通らないだろうなと思う道を進んだり

こんな道あったの?という裏道を教えてもらったり興味深かった。

 

もしかして、タクシーよりも地元の道が分かる人たちなのか?

 

学校に行くと、「こんにちは!」と挨拶してくれる子や「どこから来たの?」等

話しかけてくれる子が多かった。

 

私は色々な大人と話す経験があったが、子ども達にこんなにコミュニケーション能力があるんだなぁと驚かされる。

 

運転している最中、大声で泣いている男の子も居た。

事情を聴くと私が彼の思った道順とは違うルートを通ったかららしい、ごめん(笑)

 

施設につくと、宿題をやっている子や指導員と遊ぶ子や思い思いに過ごしていた。

 

なんてなだらかな時間の流れ何だろうと思った。

 

将棋をやろうと言ってくれた子が居たり、初対面でもおんぶを求めてくる子や、名前を伝えたら覚えようと復唱してくれる子など居た。

 

なんとなく、昔の思い出が蘇って来た。自分が子供の頃どんな風に人と仲良くしてたんだろうか。

 

今、大人になって、逆にコミュニケーション能力が無くなっているんじゃないかと思う位に子ども達は多くの話をしてくれた。

 

言葉以外でも、思いを伝えようとしてくれたり何を求めているかのメッセージを本人なりに表現しようとしていた。

 

社会人になると人を様々なカテゴライズをしてしまったり

位が高い人間でも無いのにスペックや利害関係を考えて人付き合いがあったり

私もしてしまったのかもしれないし、自分自身も高スペックなわけでも無く

ただただ、何も考えずに人との付き合い方が変わったんだなと思った。

 

少年時代には名前も知らない他校の子供が公園でサッカーや鬼ごっこをやっていたら

「いれて」と言って普通に遊んでいた記憶があったし

少々「悪口」を言われても気にしてなかったが、大人になるにつれて否定的な意見に

反応する様になってしまっていた自分に気づいた。

 

子ども達のこのコミュニケーション能力、いつまでも大切にして欲しいなと思う反面

自分もなるべく、人を利害関係や損得勘定で見てはいけないと身に染みた。

 

特に自己肯定感があまり高くなかった自分を子ども達が精一杯に求めてくれたことで

気付かされた最初の事はこれだった気がする。

私が放課後等デイサービスで働きだしたきっかけ

2011年の事、初めて放課後等デイサービスの面接を受けた時

 

私がこの仕事をするにあたって、要件は今ほど色々な資格や経験を求められるものでは

なかった。

 

現在では施設の設立には2名以上の児童指導員と呼ばれる要件を満たした人間が必要だったり、子供の人数や加算状況によっては更に資格者が必要であったりと

施設運営側もそれなりの人材を登用する動きがある。

 

そもそも、この放課後等デイサービスの歴史というのは

2012年に児童福祉法が改正され出来た仕事なので運営側も雇用側も

「何をすればいいのか」よくわかっていなかった気がする。

 

私は、大学生の時に障がいを持つ方が設立した施設でボランティアした経験や

身近に障がいを持った人が居る事などあったりして一緒に過ごしてきた経験があった。

 

「具体的に何する仕事か?」分からないで面接したが、「何しよっかなぁ~」という気持ちはあった。

 

特に自信があった訳ではなかったし、もっと言えば圧迫面接があるんじゃないかとか

「福祉なめてんの?」的な事をいわれるのかな位に思ったが特にそういうのは無かった。

 

恐らく、現在の放課後等デイサービスの面接では

「経験」「前の会社の退職理由」「〇〇出来る?」「保有資格」「週に何日?」という様な感じの話が聞かれると思うが、私が面接を受けた2011年の段階ではあまり聞かれなかった。

(※会社にもよるだろう)

 

ただ、自分が話してた様な気がする。「〇〇やってみたい」「〇〇の場合はこう思います。」みたいな話をしてたら採用だった。

きっと、聞き手が上手だったのかなぁ。

 

数字や予算を追いかけてた仕事を辞めて半年間くらい自信を失ってた時期もあったりしたが何の圧迫も無い面接で自分がどの様に利用者と楽しみたいのかを話しただけだった様な気がする、そんな面接で採用だった。

 

さぁ、この仕事は何する仕事なんだろう?

 

放課後等デイサービスって何?

さんざん「放デイ」で検索すると、こすられまくった前提の話になるのだが

主に受給者証を発行された18歳までの児童が通う施設の名称であり。

 

日常生活を送ったり、レクリエーション的な余暇活動を行う場所である。

私はいつも、子ども達と毎日生活上の必要なスキルや能力を獲得しようと頑張る

「児童」の「発達」を「支援」する仕事をしている。

 

なんか、この仕事の話をすると「すごい」とか「大変でしょう?」って労いの言葉を頂く機会があり非常に言葉の温かみを受けるのだけど私は遊んでいる感覚にほど近い。

 

 

「ねぇ、先生。仕事は何してるの?」 と聞かれる程に驚くほど子供と一緒になって

ふざけている状態だ。

 

一緒に遊ぶことが楽しくて仕方ない。

 

1年通して毎日、思い出作りがある。

 

春はイースターエッグを作ったり、自己紹介のプロフィールを子供と作ったり

「こいのぼり」なんかはもう何個つくってきたんだろう。

 

でも

牛乳パックで作る施設や、塗り絵を切り貼りする施設など色々で飽きない。

梅雨時期はアジサイに関連した工作をしたり、夏休みは皆で出かけたり

秋はBBQに出かけたこともあった。

 

クリスマス会、お餅を食べる会もした。

 

一年中凄く楽しい。

 

こんな毎日、子ども達とふざけて遊んで楽しい仕事ってあるの?

私は今もそう思って、楽しい毎日を過ごしている。